キーワード概要は、Semrushデータベース内の任意のキーワードを調べるためのSemrushの最も基本的なレポートです。 検索バーに単語やフレーズを入力すると、キーワードの検索ボリューム(国内レベル、グローバルレベル、および地域レベル)、目的、結果の数、CPC、競合性、ボリュームトレンドなどが表示されます。
- Semrushデータベース内の任意のキーワードに関する最も基本的な調査
- キーワードの価値と競合の推定を即座に評価
- Semrush内のより詳細なキーワード分析レポートにつながる開始点
- [一括分析] タブからキーワードを直接キーワード管理に送信するオプション
デジタルマーケティングでは、キーワードは、企業とその潜在顧客との接点となります。 ウェブサイトにコンテンツを書いたり、Google広告に予算をかけて広告を出したりすることで、キーワードをターゲットにすることができます。
ただし、検索からトラフィックを呼び込むために、ターゲットにする価値のある検索キーワードはどれかを判別する必要があります。 そこで重要になるのがキーワード分析です。
キーワード概要レポートは、キーワード分析を開始し、Semrushのレポートや指標に慣れるための最も簡単なツールです。
キーワードの価値を分析する
キーワード概要レポートを開始すると、キーワードの価値の初期評価が示されます。
- ボリューム:キーワードがGoogleで照会された1か月あたりの平均回数(国内/地域レベル)。
- キーワードの難易度:特定のキーワードでページをGoogleのオーガニック検索結果の上位10件にランクインさせるのに、SEOの取り組みがどれくらい必要かを示す指標。 キーワードの難易度スコアは、0から100までのパーセンテージです。パーセンテージが高いほど、Semrushではランクインが難しいと予測されています。
- グローバルボリューム:すべての国別データベースにおける、キーワードの月間検索ボリュームの合計。
- 目的:検索エンジンにおけるユーザーのクエリの目的。 目的は、適切な結果やSERP機能を表示するために、検索エンジンのアルゴリズムによって読み取られます。 検索目的の主な種類として、情報目的、ナビゲート目的、商用、取引目的があります。
- トレンド:過去12か月間に、ウェブ検索者が特定のキーワードに示した関心の度合い。
- CPC:このキーワードのSERPでPPC広告がクリックされたときに広告主がGoogleに支払う広告クリック単価。
- 競合密度:自社の広告のために、このキーワードに入札している国内レベルでの広告主の密度。 スコア1.00は最高レベルの競合を示し、スコア0.00は競合がないことを示します。 この指標は検索連動型広告検索の競合他社を指しますが、キーワードのオーガニック検索の価値を表すものでもあります。
- PLA:このキーワードのSERPの上部に表示される商品リスト広告(Googleショッピング)。
- 広告:このキーワードのSERPの上部に表示されるGoogle広告のPPC広告。
検索ボリュームを知ることで、キーワードの人気度を推測することができます。 しかし、ターゲットを選ぶ際に最も重要なことは、人気度ではありません。
ターゲットにする最適なキーワードを見つける
検索ボリュームの多い検索キーワードは、多くのトラフィックを生み出すのに最適です。 しかし、実際に検索ボリュームの多いキーワードでランクインするのは、言うほど簡単ではありません。
キーワードの人気度が高いほど、その魅力的なトラフィックを得るための競争は激しくなります。 つまり、検索ボリュームが多いほど、競争に打ち勝つのは難しくなります。
例えば、地元の家電量販店のウェブサイトを運営しているとしましょう。 Googleで競合他社よりも上位にランクインしたい場合は、ボリュームが低く、キーワードの難易度スコアが低いキーワードを探してください。 ターゲットの場所を調整して最も関連性の高い指標を表示したり、国内レベルのレポートに切り替えて広い視野で見たりすることができます。
こうしたキーワードは、競合他社の戦略の「目をくぐり抜ける」ことがあり、運営サイトに短期間で大きな成果をもたらす可能性があります。
これらはロングテールキーワードとも呼ばれるものです。 ロングテールキーワードは、目的が具体的であるため、優れたターゲットとなります。
例えば、「best wireless headphones for working out」というロングテールキーワードは、単純な「headphones」というキーワードよりもはるかに具体的です。
検索ボリュームは少ないかもしれませんが、このキーワードは目的がはっきりしているため、SEO戦略上では価値が高くなります。 SEO業界では、これを「ユーザーの検索意図」と呼びます。
より具体的なキーワードを使用して、ウェブサイトに極めて具体的なコンテンツを盛り込むと、検索者をより効果的にターゲットにすることができます。 一方、「headphones」は、対象が広すぎて競合も多いキーワードなので、SEOで効果的なターゲットにするのは困難でしょう。
「headphones」とGoogle検索する人が何千人、何万人いるとして、その全員が望むものなどは決してわかりません。 しかし、わずか数百人が「best wireless headphones for working out」と検索している場合、その人たちが望むものをそのまま用意するのは簡単です。
キーワードの目的をチェックする
ここからさらに踏み込んで、Semrushの自動目的分析で、キーワード分析をさらに充実させることができます。 Semrushデータベース内の各キーワードは、検索目的が明らかになっています。そのため、ユーザーが何を求めているのか、何をしようとしているのかをすぐに把握することができます。 [一括分析] タブを使用すると、一度に最大100個のターゲットキーワードに関して、ユーザーの目的やその他のいくつかの主要な指標を分析することができます。
ヒント:キーワード比較ツールを使用すると、複数の競合他社のキーワード戦略におけるギャップを発見することができます。
キーワードのバリエーション、質問、および関連キーワード
キーワードのアイデアウィジェットでは、キーワードの類似グループの概要情報が表示されます。この情報を掘り下げて、理想的なターゲットキーワードを見つけることができます。
- キーワードのバリエーション:元のキーワードに修飾語を加えた検索フレーズ。 キーワードのバリエーションは、メインのクエリに関連する最も人気のある検索キーワードを見つけるのに役立ちます。
- 質問:誰、何、どこ、いつ、なぜ、どんな、とは、できるか、などを含む検索キーワード。 質問は、サイトのブログ投稿、FAQ、コンテンツページのコンテンツのアイデアを得るのに最適です。 よく検索される質問への回答は、音声検索最適化を含むSEOに役立ちます。
- 関連キーワード:照会されたキーワードと似た結果になるキーワード。 関連キーワードでは、ありがちな誤字脱字や特定のトピックに関連する検索フレーズを見つけることができます。 一般的に誤字脱字のあるキーワードはCPCも競合性も下がるため、関連キーワードによって、PPCでターゲットにするのに最適なキーワードが見つかります。 このリストは、地域レベルのレポートにのみ表示されます。
- キーワードクラスタ:ページが上位にランクインする可能性があるキーワードのグループ。 キーワード概要には、キーワードクラスタのレポートは表示されませんが、キーワード管理の完全なレポートにつながるリンクがあります。 キーワードクラスタは、国内レベルのレポートでのみ利用可能です。
このデータは、キーワードマジックツールから直接取得されているため、総ボリュームとキーワードの平均難易度もわかります。 キーワードの候補の数をクリックすると、キーワードマジックツールに直接移動します。
トレンドをチェックする
キーワードのトレンドは、ターゲットオーディエンスの季節性を把握し、特定の検索キーワードによるトラフィックがどの季節に急増するかを予測するのに役立ちます。
このレポートのトレンドチャートでは、キーワードの検索ボリュームが年間を通して変動するか、比較的一定かが示されます。 棒が過去12か月を表しています。最後の棒は常に前の月のものとなります。
例えば、2023年8月にキーワード分析を実行した場合、最初の棒(左端)は2022年8月を表し、最後の棒は2023年7月を表すことになります。
キーワードのトレンドが上がらず、同じ水準で停滞している場合は、この検索クエリを確実に1年中ターゲットにする必要があります。
しかし、季節によって急上昇するキーワードの場合は、それに応じて計画を立てることができます。 例えば、「bathing suits」のようなキーワードは、春から夏にかけて増加傾向になるでしょう。
ウェブサイトとしては、このキーワードをターゲットにした季節ごとのウェブサイトコンテンツや広告キャンペーンで戦略を立てることができます。
キーワードのオーガニック検索における価値を分析する
キーワード概要レポートを下にスクロールすると、分析対象の検索キーワードのオーガニック検索でランディングページが表示される上位のドメインのリストがあるのがわかります。
青い [SERPを表示] のリンクでSERP自体を表示できます。また、レポート上部の [指標を更新] ボタンを使用すると、これらのパフォーマンスの高いウェブサイトに関するさまざまな指標を生成することができます。
このリストの中にあなたのウェブサイトがあれば、それはとても素晴らしいことです。 Googleは、あなたのページを、指定のキーワードに最も関連する、最良のページの1つとみなしています。 ただし、ランキングの強化・改善のチャンスを逃してはなりません。
オーガニック検索のランキングを上昇させることは、オンライン上の最も関連の強い競合他社に打ち勝つための最大の要因となり得ます。 検索は毎日何十億回と行われているため、適切なキーワードでサイトをランキングの上位に表示させることができれば、大きな利益を得ることができます。
現在、結果の1ページ目にランクインしている企業は、SEOにおけるあなたの競合他社です。 各競合他社のウェブページをチェックして、そのコンテンツ、構造、特定のキーワードの使い方を分析することができます。 小さな矢印をクリックすると、新しいタブでそのページが開き、URLをクリックすると、そのウェブページのオーガニック検索分析レポートが開きます。
そのレポートから、このページのキーワード、被リンク、トラフィックシェアなどを確認することができます。
自社のドメインが検索結果の上位に表示されない場合は、競合他社のページのコンテンツを分析して、そこから学ぶようにしましょう。
Semrushのプロジェクトツールの1つであるページ改善提案は、コンテンツを改善するためのアイデアを得るのに役立ちます。
ヒント:レポートの各セクションをXLSX形式またはCSV形式でエクスポートすることができます。
キーワードの広告価値を分析する
自社のサイトがキーワードで自然にランクインしない場合でも、Google広告を通じてキーワードに入札することで検索トラフィックを獲得することができます。
オーガニック検索のリストの下には、検索連動型広告検索の結果でキーワードに対して上位に表示されるPLAコピー(商品リスト広告)と広告コピー(Google広告)も表示されています。 これらをヒントに独自の広告コピーを作成したり、これらの広告が指し示すランディングページを分析したりするとよいでしょう。
Eコマースのウェブサイトを運営している場合は、上位のPLAに注目してみてください。 これらの広告主は、Googleショッピングの上位の競合他社です。
キーワード広告履歴ウィジェットでは、過去12か月間に国内レベルでキーワードに対するウェブサイトの入札がどれだけ活発であったかが示されます。 これをクリックすると、詳細情報が示されているキーワード広告履歴レポートに移動します。
Semrushのキーワード分析を使用すると、過去1年間で最も効果があった自社の広告を特定することができます。 この情報は、どの戦略が最も高いROIをもたらしているかを確認することができ、今後の検索広告を継続的に成功させるうえで役立つでしょう。
分析したキーワードをすでに広告キャンペーンに使用している場合は、このデータを使用して、広告の検索の可視性を改善することができます。
キーワード概要レポートの照会に慣れたところで、キーワード分析をさらに深く掘り下げるためにキーワードマジックツールをぜひチェックしてみてください。
ヒント:キーワードの過去のデータを表示する場合は、上部のセレクタを使用してください。
ローカルキーワードの指標
国内レベルだけでなく、地域レベルでもキーワードの指標を把握することができます。
このフィルタを使用すると、特定の場所でのキーワードのオーガニック検索でのトラフィックの見込みを評価したり、その場所に特化したターゲットキーワードリストを作成したり、ローカルSEOキャンペーンに最適なキーワード計画を構築したりすることができます。
キーワード概要のランディングページで、キーワードを指定して、場所として任意の区域、都市、または地域を選択し、検索をクリックすると、ローカルデータが表示されます。
これは、単一のキーワードを検索した場合にのみ利用可能です。一括分析では利用できません。
キーワード概要ツール内でローカルデータをリクエストすることもできます。 ここでは、どの指標がローカルデータで、どの指標が国内のデータを示しているかを簡単に見分けることができます。
新しい場所を表示するたびに、「キーワード指標の更新」の制限に対する回数が1つ増えます。
地域別指標フィルタを使用すると、キーワードの次の指標についてのローカルデータを確認することができます。
- ボリューム
- ボリュームトレンド
- キーワードの難易度(KD%)
- 競合密度
- クリック単価(CPC)
- 目的
- SERP分析
- SERP機能
- 結果
一括でキーワードを分析する
[一括分析] タブを使用すると、最大100個のキーワードの指標を分析することができます。 各キーワードの目的、ボリューム、トレンド、キーワードの難易度、CPC、競合密度、SERP機能、結果が表示されます。
キーワードを比較したら、SEO戦略に最も適したキーワードをキーワード管理(Semrushの各種ツールで収集したすべてのキーワードのキーワードリポジトリ)に送信しましょう。
注記:ローカルキーワードの指標を一括分析レポートに表示することはできません。
現時点では、キーワード概要ツールで一度に特定の1つのキーワードに対してのみ、過去のデータを取得することができます。 一括分析では、一連のキーワードを分析することができますが、指標は最新のものしか表示されません。
ヒント:Semrush APIのBatch Keyword Overviewのコールを利用すると、キーワードの過去のデータを一括で取得することができます。 標準のAPIパッケージは、Businessサブスクリプション以上のプランでご利用いただけます。
エクスポートオプション
キーワード概要(概要レポート)からデータをPDF形式でエクスポートすることも、レポートツールを使用してカスタムレポートを作成することもできます。 Traffic Analytics、その他のSemrushツール、Google Analytics 4、Google Search Console、およびその他のソースのデータを組み合わせて、カスタムのPDFレポートを作成できます。 ブランドに合わせてレポートを調整し、自動アップデートをスケジュールして、シームレスにレポートを自動生成できます。
キーワード概要からキーワードリストをCSVファイル、XLSXファイル、およびセミコロン区切りのCSVファイルにエクスポートできます。
データをクリップボードにコピーして、ファイルに貼り付けてエクスポートすることもできます。 キーワードを1つ以上選択すると、テーブルのヘッダーに [コピー] ボタンが表示されます。 [コピー] をクリックして、選択したキーワードを任意のファイルに貼り付けます。
キーワードは、個々のチェックボックスをクリックして1つずつ選択することも、一括で選択することもできます。 リスト上で連続するキーワードのグループを選択するには、そのグループの最初のキーワードをクリックします。 次に、Shiftキーを押しながらグループの最後のキーワードをクリックします。 これにより、2つのキーワードの間にあるすべてのキーワードを選択することができます。