SEOキーワード難易度とは?キーワード難易度の意味とその調べ方を徹底解説

Semrush Team

6月 14, 202319 分 で読めます
SEOキーワード難易度
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目次

SEOキーワード難易度とは、特定のキーワードでGoogle検索した場合に、上位表示がどの程度難しいか(または簡単か)を表す指標です。本記事では、SEOキーワード難易度について、その調べ方とキーワード難易度がランキングに与える影響について解説します。

キーワードの難易度とは?

キーワードの難易度とは、特定のキーワードでGoogle検索したときに、1ページ目にランクインするために必要な労力を測るための指標です。つまり、難易度が高いキーワードとは、SEO対策の成果が出るまでに、時間も手間もかかるキーワードということになります。 

では、キーワード調査をする上で、難易度をどのように考慮すべきでしょうか。難易度の低いキーワードに絞る方が得策と言えるのでしょうか?

そうとは言い切れません。ターゲットを選択する際は、キーワードの難易度と検索ボリュームを合わせて考慮するのが賢明です。これにより、機会の獲得と上位ランクインの可能性のバランスが取れた戦略を立てることができます。

この記事では、キーワード難易度とは何か、そして難易度についてどのように解釈し、どうやって戦略に組み込むべきか、詳しく取り上げます。

キーワードの難易度を理解することの重要性とは?

キーワードの難易度というのは、戦略にもリソース配分計画にも影響することです。その点を踏まえて、自社サイトにとって最も効果の高いキーワードを選定する、それがコンテンツ作りで欠かせない要素となります。

例えば、新しいブログ記事について、関連性が高い、検索ボリュームが多いという理由で、「プロジェクト管理」というキーワードを選んだとします。そして、そのキーワードの難易度を考えないまま、ライターに執筆依頼をしたとします。 

この新しい記事は、トップページにランキングされるでしょうか?可能性はゼロとは言えませんが、事前に対策が必要となるはずです。選んだキーワードでランクインすることの難易度と理由を理解していないままでは、対策が必要である事実にも気が付かないことでしょう。

言い換えれば、キーワードの難易度は、新しいページをランクインさせるという目標を達成できる可能性を判断する目安となります。キーワードの難易度を参考に、コンテンツ計画を策定し、投入するリソースを決めましょう。

では、キーワードの難しさを知るには何を確認すればよいでしょう?次の要素が考えられます。

  • 競合他社
  • コンテンツの質
  • 検索意図
  • バックリンク
  • ドメインオーソリティ

ここで、各要素について、詳しく説明します。

競合他社

検索結果第1位は誰もが狙っています。まず、競争相手が誰なのか知っておきたいところです。この時に問題となるのが、想定外の競合他社の存在です。 

それを解決するのが、SEO競合分析です。

留意しておきたい競合は、一般的に次の3種類です。 

  • 同業他社:取り扱い製品/サービス、オーディエンスが類似している企業
  • SEOの競合:コンテンツのオーディエンスが類似している、キーワードプロファイルが競合するドメイン
  • キーワードの競合:ターゲットにしようとしているキーワードで、現在上位の企業

ほとんどの競合がこの3つのカテゴリの複数に該当します。同業他社ですから、作成するコンテンツもオーディエンスも類似している可能性は高いのです。ただし、物事には絶対ということはありません。 

SEOの競合相手を判断したい場合は、Semrushの.Trendsのカテゴリーの中にあるMarket Explorerツールを使ってみましょう。トラフィックで競合する上位の他社が分かるので、追跡すべき企業が判断できます。また、市場全体の傾向を考慮しつつ、自社と競合他社をベンチマークするのにも役立ちます。 

Market Explorerツール

特定キーワードの競合を確認するには、Semrushのキーワード概要ツールの中にある「SERP分析」を使いましょう。

SERP分析

この画面では、現在どの会社がランクインされているかが一目で確認できます。さらに、ページオーソリティ、参照ドメイン数、検索トラフィックを比較することも可能です。実際のページを訪問して、成果の出ているコンテンツがどのようなものか確認するとよいでしょう。

最後に、ドメイン概要ツールで、未調査の競合他社について調査しましょう。

ドメイン概要ツール

調査結果を生かした効果的な戦略で、自社のブランドが際立つ、オーディエンスも満足するコンテンツを目指しましょう。

コンテンツの質

質の高いコンテンツ無くして、上位ランクインは果たせません。そのひと言に尽きます。 

では、質の高いコンテンツとは何でしょうか? 

その答えは、Googleのミッションステートメントにあります。

“Google は、検索に次のようなことを求めています。「最も関連性と信頼性の高い情報を届けること」”

つまり、何よりもまず先に目指すべきは、オーディエンスのニーズを満たし、信頼できる魅力的なコンテンツの配信に力を注ぐことです。その上で、コンテンツを最適化しておけば、Googleがコンテンツを見つけて理解し、読者が情報を求めるその時に届けることができるのです。

コンテンツの質を確保するために、次の手順を踏みましょう。 

  1. オーディエンスが何を知りたいか、どのような言葉で検索しているかを知るために、キーワード調査を実施しましょう。トピックは、ブランドと視聴者のニーズに関連性の高いものにしてください。
  2. オーディエンスの知りたいことに答えるコンテンツを作成します。わかりやすく、情報量が豊富で魅力ある内容にしましょう。流れがスムーズで興味を惹かれる文章を心がけ、間違った情報ではないか、最新情報かどうかもしっかり確認してください。
  3. コンテンツを最適化しましょう。見出しを用いると、検索エンジンが内容を把握しやすくなります。サブキーワードを用いると、検索エンジンがコンテンツの内容を把握し、オーディエンスに関連性の高い内容であると認識されやすくなります。
  4. 代替テキストで画像の内容をわかりやすく示しましょう。スクリーンリーダーを使用しているユーザーが記事にアクセスできるよう、画像に代替テキストを設置しましょう。

詳しい情報は、Semrushのブログ、「コンテンツの質、プロはどこを見ている?」をご覧ください。

コンテンツを充実させるためのヒント

検索意図

「良いコンテンツができたから安心」ではありません。Google検索で上位表示を獲得し、オーディエンスにクリックしてもらうには、検索内容に合ったコンテンツが求められます。そこで考慮に入れるのが検索意図です。 

検索意図とは、検索者がそのキーワードで探そうとしているのはどのようなコンテンツかを示します。検索意図には、次の4種類があります。 

  • 情報収集型:あるトピックに関する情報を得たいユーザー
  • 購入検討型:購入するかどうかを検討中のユーザー
  • 行動型:購入の意思があるユーザー
  • 案内型:特定のサイト、ページを探しているユーザー

キーワードの検索意図を知る方法は2つあります。 

一つ目は、キーワードをGoogleで検索して結果を確認する方法です。 

ブログ記事など、参考情報を扱ったページが多いですか?商品ページが多いですか?表示されるSERP機能の種類は?検索結果を観察すると、Googleが検索意図を解釈する際の挙動がわかります。

二つ目は、Semrushの指標である、「キーワードの意図」を確認する方法です。キーワードデータを表示するほとんどのツールでご利用いただけます。Keyword Magic Toolでは、「キーワードの意図」は次の箇所に表示されています。

キーワードの意図

コンテンツの作成では、ターゲットとするキーワードの本当の意図とコンテンツの内容を一致させてください。適切なトピックであっても、そこから得られる情報が適切でなければ、そのページを上位に表示させることはかなり難しくなります。

バックリンクの質

Googleのランキングシグナルは時代とともに進化しているものの、良質なバックリンクの有無はSEOにおいて不変の重要な要素です。Google公式の、検索アルゴリズムの仕組みに関するサポート記事でも、同様の記述があります。 

良質なバックリンク、つまり有力なソースからのインバウンドリンクがあれば、Googleなどの検索エンジンからの信頼を得やすくなります。そこから、ドメインオーソリティが確立されていくのです。

バックリンクの例

では、バックリンクの質とキーワードの難易度は、そもそもどう関係するのでしょうか。いたってシンプルです。あるキーワードで検索上位の競合が、バックリンクプロファイルが充実している企業ばかりの場合、新規のページがその順位に割り込むことは、かなり困難でしょう。 

ただし、その逆も真なのです。新しいコンテンツをランクインさせるには、リンク構築戦略を立てて、時間をかけてオーソリティを高めていきましょう。すでにランクインしているコンテンツについては、バックリンクのプロファイルを固めて維持し続けることで、上位に留まることができます。

ドメインオーソリティ

ドメインを新たに取得した直後は、競合するキーワードでランクインするのに苦戦するでしょう。目指す検索結果を獲得するには、オーソリティ構築にただでさえ時間がかかります。競合がその分野のオーソリティを確立してしまっている環境ではなおさらです。 

ドメインオーソリティとキーワードの難易度は次のような関係性にあります。 

  • 自社:ウェブサイトの立ち上げ直後でオーソリティが低い場合、競合他社よりも優れた信頼できるコンテンツであることを検索エンジンに示すのが困難でしょう。 
  • 競合他社:オーソリティがすでに確立されている他社と同じキーワードで競合する場合、上位に割り込むことは非常に困難でしょう。

Semrushのオーソリティスコア(Authority Score)では、ドメインオーソリティを客観的に評価できます。このスコアは、ドメインの質を総合的に評価する複合的な指標です。計算方法については、Semrushのブログをご覧ください。 

ドメイン概要ツールで確認することができます。 

ドメイン概要ツール

確認したいドメインを入力して「検索」をクリックしましょう。 

ターゲットにしたいキーワードでランクインしている競合ドメインの中で、自社がどの位置にあるか確認してみましょう。競合ドメインのスコアとの差が大きい場合は、時間をかけて自社のドメインオーソリティを高めていくことをお勧めします。

アカウントがGuruプランまたは上位の場合、「ドメイン比較」タブで結果を並べて表示することもできます。

良質なコンテンツの作成とリンク構築にむけての計画ができているなら大丈夫です。オーソリティを高めていく下準備はこれで完了です。

Semrushでキーワードの難易度を確認するには

Semrushでは、キーワードの相対的な難易度を、キーワード難易度スコア指標(KD%)で示します。難易度スコアは0から100までのパーセンテージで表示されます。ランク付けされやすい場合は0、ランク付けされにくい場合は100となります。 

Semrushは現在ランク付けされているページのオーソリティ、バックリンク数と種類(follow/nofollowの比率)、その他、キーワード固有のデータを考慮してキーワードの難易度を計算します。

難易度スコアの内訳は次のとおりです。

スコア

説明

0~14:非常に低い

最小限の労力でできるだけ早くランクインしたい場合に適したキーワードです。ただし、検索ボリュームが低い場合がありますので、事前に再確認が必要です。

15~29:低い

新規ドメインでも達成可能なキーワードです。良質で関連性の高いコンテンツを作成しましょう。 

30~49:普通

質の高いコンテンツが必要となるキーワードです。ターゲットキーワードに合わせて高度に最適化された、優れた構成の、体系的に整理されたコンテンツが求められます。

50~69:高い

高品質で構成の整ったコンテンツを作成し、最適化することに加え、良質なバックリンクが必要となるキーワードです。

70~84:非常に高い

多大な労力を要するキーワードです。良質なバックリンクが多数必要です。

85~100:極度に高い

最高難度のキーワードです。良質なコンテンツ、リンク構築に加え、SEO対策やコンテンツのプロモーションに多くの時間と労力が求められます。

キーワード調査を進める際は、この難易度スコアを考慮に入れてください。 

参考となる事例をご紹介します。

ブログ記事を増やすために、何について書くかを構想中だとしましょう。キーワードは決まっていませんが、サイトに読者を呼び込むことができるような質の高いコンテンツ作成を目指しています。 

そこで、Semrushの「Keyword Magic Tool」を使ってみましょう。記事にするトピックを代表するシードキーワードを入力します。すると、ターゲットとして適したキーワードをまとめたリストと、キーワードリストの作成に役立つその他のデータが得られます。キーワード難易度は、KD%列で確認することができます。

キーワード難易度

キーワードの選択では次の項目を考慮しましょう。 

  • 自社のオーディエンスに関連性の高いトピックかどうか
  • 検索ボリューム
  • キーワードの難易度
  • 検索意図と目標の合致度
  • キーワードの競合度合い 
  • ターゲットにしたいSERP機能

これらの点を考慮すると、関連性、影響力、達成可能性がすべてそろったキーワードを見極めるのに役立ちます。

ターゲットとするキーワードを選んだら、キーワード概要ツールに入力してさらに検討を続けます。キーワードは一度に最大100個まで入力できます。

キーワード概要ツール

この画面では、記事の総合的な難易度をより詳細に把握することができます。確認できる項目は次のとおりです。 

  • スコア(KD%)の詳細、達成条件
  • 関連キーワード、質問、類似するキーワードとそれぞれのスコア(KD%)
  • 検索意図、ボリューム、SERP機能、CPCなど、その他のキーワードデータ
  • SERP分析データ(現在ランキングされているユーザー、オーソリティスコア、トラフィック、バックリンク、キーワードプロファイルなど)

以上のデータをもとに、検討中のキーワードをターゲットにするかどうかを判断できます。キーワードを採用することを決めた場合は、ここで得た競合調査とサポートキーワードを記事の構成に役立てましょう。

プロよりアドバイス:キーワードの難易度が自分のドメインに適しているかどうか忘れずに考慮してください。ドメインのオーソリティスコアによっては、KD%の基準よりも簡単な場合も難しい場合もあります。

適度なキーワード難易度スコアとは?

なんといっても、適度なキーワード難易度スコアを知るには、まず自社ウェブサイトをよく知る必要があります。運用しているドメインのオーソリティが高いということであれば、難易度の高いキーワードでも上位を獲得できる可能性があります。難易度の高い用語をターゲットにしてみる価値がありそうです。

逆に、運営しているサイトが新しい場合、最高難度の検索用語をターゲットにするかどうかの判断は難しいところです。最高難度のキーワードではなく、まずは簡単なキーワードをターゲットにして、オーソリティ構築に時間をかける戦略の方が賢明かもしれません。 

ただし、最高難度のキーワードが事業にとって重要な意味を持つ場合は、ランクインまでの時間に関係なく、そのキーワードに力を入れるという選択も可能です。

自動車整備販売店に勤務しているとしましょう。店舗の所在地周辺では自動車整備関連キーワードの難易度が高いという場合でも、サービスセンターのランディングページではそのキーワードは必要です。

ではいったい、難易度を踏まえたキーワード選びとはどうすることなのでしょうか。

  • SEOは長期戦と捉えてください。現状では手が届くと思えないキーワードであっても、ランクインが難しいという理由で、全く考慮に入れてはならないということではありません。成果が出るまでに時間がかかることを理解していればよいのです。今やるべきことは、狙っているキーワードで現在上位のサイトやウェブページと、自社サイトのオーソリティの比較、分析を長期的な戦略として続けていくことです。 
  • ランキングしやすいキーワードと難しいキーワードのバランスが取れたスマートな戦略を。成果がゼロというわけにはいきませんから、難易度の低いキーワードと、露出度につながるまでに時間がかかるキーワードのバランスを取ることが大切です。そこで、トピッククラスターを作ると効果的です。広義の用語で、キーワード難易度スコアが高いものをピラーページ(トピッククラスターの柱となるページ)の、低いものをクラスターコンテンツのターゲットとしましょう。 

難易度が「低い」とされるスコアとは?

数字だけで客観的に見ると、難易度が「低い」とされる範囲は、0~29です。ただし、「適度」なスコアについてもそうでしたが、企業によって答えは異なります。 

例えば、自社の事業分野に関連するテーマで、自社ドメインがすでにオーソリティを確立できている場合、立ち上げ直後のサイトには難易度が高すぎるキーワードでも難なくランクインできるでしょう。自社にとって難易度が「低い」キーワードが、他社にとっては難易度が高い難しいキーワードなのです。 

キーワード難易度を測る際は、KD%と自社の経験値を併せて考慮してください。

ロングテールキーワードとキーワード難易度の関係性とは?

ロングテールキーワードは、たいていの場合、検索ボリュームが少なく、競合レベルが低い、長めのフレーズです。競合が少ないため、高いコンバージョン率が得られる可能性があります。

ロングテールキーワードとキーワード難易度の関係性

こちらの例では、「トマト 葉っぱ 黄色 なぜ」がロングテールキーワードに該当します。月間検索数は少ないですが、コンバージョンは多く獲得できるでしょう。

前述の自動車整備販売店の例に戻りましょう。地域ディーラーにとって「オイル交換」でランクインするのは難しいと思われますが、「オイル交換 長野」であれば成果が出やすいはずです。 

つまり、トラフィックの総数が少なくても、関連性の高いトラフィック(この例では、長野県でオイル交換を検討している人)を獲得できる可能性が高くなるということです。

検索者からすれば、自分の問いに対して一番具体的な答えが見つけたいのです。「トマト 苗」と検索すると、表示される結果は、かなり大ざっぱな内容となります。

代わりに、「トマト 葉っぱ 黄色 なぜ」で検索すると、結果はより具体的になります。

まとめ

キーワード調査では、検索ボリュームだけを根拠にしないでください。

なぜなら、実現可能な目標の設定・達成までの所要時間やリソース配分の計画で、苦戦することになるかもしれないからです。

希望するキーワードでランクインが可能かどうかじっくり考えましょう。手っ取り早い対策(難易度が低く、価値の高いキーワード)を見つけましょう。手堅く現実的な予測に基づいた戦略を提案して、長期的にランクインを狙います。

キーワード難易度スコアを参考に、自社ドメインのオーソリティや上位表示への可能性を考慮した上で、今後の成長に向けたアクションプランを立ててください。 

キーワード調査を始めるなら、Semrushのようなツールをぜひご活用ください。

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